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気品がある顔立ちでありながら勝ち誇った妖艶な微笑を唇にたたえ、その目線の先には、彼女の巨大・豊満なお尻の下に顔を埋めた小男が喘いでいる、鉛筆で丹念に描かれた春川ナミオ画伯のそんな一連のイラストレーション(注1)は、マスカルチャーにおいては全く認知されていないにしても、サブカルチャーの世界(注2)においては、しっかりとマゾヒスティクな男性たちの心を捕え魅了して止まないでいます。
現在,、彼の作品は『SM秘小説』(三和出版)で毎月見ることができます(注3)が、私事で恐縮ながら、僕はかつて偶然に古本屋で彼の処女画集である『痴人の愛』(サン出版、昭和55年)(注4)を購入し、そのめくるめく世界にたちまち魅了されたのでした。まさにその作品集によって、自分の‘M志向’と共に‘豊満女性嗜好’を強く意識させられたのです。(注5)
春川ナミオ画伯は、1947年5月生まれ、大阪府出身。「春川ナミオ」というお名前の「春川」は、豊満な女優で有名な「春川ますみ」(注6)からとり、「ナミオ」は言わずと知れた谷崎潤一郎の小説『痴人の愛』(注7)のヒロインの「ナオミ」を男性名に聞こえるように語を並べ替えた、いわばアナグラムだそうです。(注8)
いわゆる‘お尻フェチ’のジャンルとしては、いわゆる‘スカトロ’系があります。彼の作品にも排便された‘黄金’を極端に矮小化された男性が大きな口を開けてまさに受けようとするようなシーンが描かれているものがありますが、しかしこれはごく少数で、むしろ‘聖水’拝受の方が多いようです。
しかし傾向としては‘スカトロ’系的な関心からよりも、圧倒的に重量感のある巨大なお尻に‘圧迫’され支配される‘マゾ’的快感を、主にいわゆる‘顔面騎乗’(注9)という形で表現している作品の方が多いと言えるでしょう。
お尻に関心を持ったきっかけについては、思春期の少年の頃(注10)を思い出して彼はこう語っています。
「記憶に残っているのでは、お風呂屋さんかなぁ?番台のところから女湯が覗けるんです、お金払う時に。たまたま近所のきれいな中年の奥さんが向こう向いて脱いでいるところが見えた。その裸のお尻がカッコエエゆうか、もうスッゴイんです。今の若い子みたいに足がスラーッと長くてとかそんなんじゃなしに、ボテッとして大きくて。」(注11)
そしてフランスの画家のクールベが好きだという彼はこう述べています。
「クールベが描いているお尻の窪みなんかが、その中年の奥さんのお尻、そのまんまなんですよ。お尻が大きくて、太股も太くて、でも、足首は引き締まっていて、そういう女独特の肉の付き方がありますよね。」(注12)
その後自分のM性を自覚したのは、古本屋であの伝説の雑誌『奇譚クラブ』を見た時だっとそうです。そして実際にその雑誌でイラストを描くようになります。(注13)その後『SMコレクター』などにも描き(注14)、それらを集めたのが処女作の『痴人の愛』でした。その後彼が出版した作品集は次の通り。
・『処刑島の女王』(夢屋発行、平成6年)
・『春川ナミオ画集』(夢屋発行、平成8年他)
・『巨女渇愛』(注15)
他に多数のビデオパッケージ(注16)を手懸け、ビデオの監督も務めています(注17)が、その中でも圧巻なのが、アニメーション作品の『闇の貴婦人 男狩り』(BOOKSオリオン、平成9年)でしょう。(注18) こちらは『女権都市の囚人』です。▲開始ボタン→■フル画面ボタンのみ押して下さい。
実際の生活はそうではないにしても(注19)、理想は24時間奴隷でいたいという彼、究極的には「美しい女性の部品になる、それが僕の理想」だと言い切る彼。
彼の作品の本質、そして顔面騎乗をされることに憧れるM男の心性が次の説明によって理解できると思います。そこには、顔面騎乗の宇宙観(コスモロジー)が語られています。
「オッパイはお母さんになるから、オッパイやったら、何かこう甘えたくなる。でも、僕の場合、お尻はお母さんじゃないんですね。もっと高貴で神秘的なものです。お尻の奥には何があるんだという謎めいた場所。」「もっと言うたら、口が(女性のパーツで)いちばん美しい。ものを食べるところだからね。で、お尻で排泄すると。女王様の排泄するところと、奴隷の口がひっついている。その格差がいいんです。お尻に敷かれて、その中(肛門)に男の舌が入っている。そういうところに興奮がありますね。」(注20)
かの稲垣足穂は、口(オーラル)と肛門(アヌス)を結ぶ‘粘膜質円筒’に宇宙大へとつながる虚空を見て、こう述べていました。
「われわれの体躯を構成している各細胞を千億個の真空管に見たて、人体をもってかつて在り、いま在り、まさに在ろうとする波動をそなえられた受信機だとするならば、このような粘膜質円筒こそ、そのまま地獄への隊道ならびに天上界への間道として、千万の“十界九地”を蔵していることになる。人間はけだし、無限に空虚な存在可能性だといわなければならない。」
(注1)
ご本人は謙遜して自分を‘イラストレーター’と呼んでほしいと言われていますが、彼の作品はその独自の高度な美的洗練性からして、単なる俗物的大衆芸術以上の聖なる芸術的価値を有していると言っても過言ではないでしょう。
北川プロ 1 2
下記の海外サイトでアップ中、恐らく著作権無視で無断掲載。
ある意味、日本より海外の方が評価が高いとも言えます。
L MONDO DI ANASTASSIA>Namio Harukawa
L MONDO DI ANASTASSIA>Namio Harukawa>Dark
Namio Harukawa
FemDom Art classic collection 1 2
Femdom Art Gallery and Drawings 1 2
FemDom Art Collections
http://www.fetishex.com/gallery/Drawings/
http://www.fetishgirlsworld.com/freepics10.html
http://www.bondage.ru/art/000011.html#
http://home.a-e-c.org/facesitsmelly/namio.htm
http://www.femdom-facesitting-art.com/ 動画
http://www.fetishgirlsworld.com/vids/nhvidsamplex.mpeg 立体画像
http://bestpornhost.com/misstereo/intro.htm
(注2)
一般の流通サイトにのりにくいけれど、優れた書籍等を取り揃えて販売している「タコシェ」という書店は、慧眼(けいがん)にも春川ナミオ展も開いたことがあります。
(注3)
春川先生の作品が載っていたので、会の広告を暫くこの雑誌に載せていたことがあります。と言うのも自分と同じ嗜好の人たちを集めたかったからです。会のHPにメッセージを寄せている原島彰(仮名)さんもそのような同じ嗜好を持つ人々の内のお一人です。
(注4)
春川先生は何と全部、人にやってしまって、この処女画集をご本人は所持していないそうです。(因みにネット上では2万円ぐらいで売りに出されています。)「お尻スーパースター列伝/春川ナミオ」『お尻倶楽部』1998.1月号参照。因みに今回の文章を執筆するにあたって、この雑誌のインタビュー記事を大いに参考にしました。
当然、この『お尻倶楽部』にも当会の広告を載せていましたし、『SMスナイパー』にも載せました。でも後者からの応募者はほとんどありませんでしたね。(^^;多分、スレンダー体型の女王様志向が強い雑誌だからでしょう。その意味では当会の男性がたのタイプにあった豊満系女王様(例:ローズ女王様)が多く出ていた雑誌としては『家畜人』(一水社)がありますが、残念ながら広告枠が取れませんでした。『SHAME』(ラン出版)はソフト系として期待して、編集の方にも意見を述べたのですが、広告を出す前に、惜しくも2号で休刊になってしまいました。
(注5)
少年の頃に顔面騎乗に目覚め、僕と同様に、偶然に古本屋で春川先生のイラストを初めて見た時の感動的な体験をネット上で語ったいる人もいます。
(注6)
春川ますみさんは、日劇ミュージックホールの芸名メリー・ローズという元ストリッパー嬢で、初出演映画は、森繁久弥主演の東宝の喜劇映画「グラマ島の誘惑」でした。当時は、‘肉体女優’とか‘グラマー女優’とか呼ばれていましたが、その後、豊満女優好きの今村昌平監督に見出され「赤い殺意」というシリアスな映画で最優秀女優賞も得ています。多数の映画に出演していますが、明るいキャラクターを売りにして、三枚目的な役回りでテレビでも活躍する現役女優です。
(注7)
谷崎潤一郎『痴人の愛』
(注8)
この小説の映画化作品で、京マチコ、叶順子、安田(大楠)道代、水原ゆう紀の各々の女優が‘ナオミ’を今までに演じていますが、興味深いのは、時代を追うごとに彼女たちの体型が豊満から痩身になっていることです。
また主に団鬼六の映画化作品に出演し有名になった谷ナオミは、緊縛されるM女をもっぱら演じていましたが、その容貌からするとSの女王様タイプであり、‘ナオミ’のイメージを体現していたと言えます。
(注9)
‘顔面騎乗face sitting’は、‘踏みつけtrampled ’と同様に‘圧迫 oppression’系のジャンルに属しますが、会員の中には、特に‘圧迫・踏みつけ’に関して権威とも言える方(K・Tさん)がいらっしゃいます。
また豊満な女性に‘顔面騎乗’される、まさに春川ナミオ的世界をビデオで実際に表現しようとしている「アガスティア(マニアワールド)」というビデオ制作会社を経営するNさんもまたこの会社を起こす前からの会員でした。
女性会員の中にはかつて春川先生のモデルになったという女性(Jさん)もいらっしゃいます。
ところでK・Tさんは、圧迫系の女王として米国のクイーン・アドレナに魅せられ彼女のビデオを多く購入して所有しているのですが、アガスティア
のNさんはつい最近米国にわざわざ出かけアドレナを撮影して来ました。そのアドレナが‘Namio’のイラストに強く影響されていると言っていたそうです。
また会が提携しているSugar's_Placeの主催者であり実際にモデルとして自分の画像を公表しているシュガーに春川先生のイラストを紹介したところ、彼女は彼のイラストを「荘厳な作品'Awesome
work'」として絶賛し、早速自分のサイトに顔面騎乗の画像をたくさんアップしてくれました。
(注10)
「春川ナミオ自伝」『女王様バイブル』(三和出版)連載中 1 2
(注11)(注12)
「お尻スーパースター列伝/春川ナミオ」『お尻倶楽部』'98.1月号。
クールベの古典的(クラシカル)なお尻と現代的(モダン)なお尻。
(注13)
『奇譚クラブ』
(注14)
『SMコレクター』
『SMアブ・ハンタ−』
(注15)
最新画集『巨女渇愛』1 2 3 4 5
(注16)
ビデオパッケージ1 2
北川プロ、夢屋、ビジョンMなど。
(注17)
『復讐の美尻 セクハラ上司の屈従』(北川プロ)
http://www.hit.co.jp:80/kitagawa/video/165.html
(注18)
DVDアニメーション作品『春川ナミオ』 サンプル動画
上記販売サイト
以上の作品は六本木セラビ(TeL.03-3584-2826)で取り扱っています。
(注19)
既婚で普段は広告関係の会社に勤務されています。
(注20)
「お尻スーパースター列伝/春川ナミオ」『お尻倶楽部』'98.1月号。
2001.8.14初出に加筆)
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