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TBSの番組「ガチンコ・ダイエット学院レディース」は必ず問題が起こり、それ(他人の不幸)がトピックになるわけですが、昨晩(2000.7.18)はこれまで最も一生懸命真面目にトレーナーの指示を守っていた‘優等生’のジェニファーという女性が膝の故障を起こし、離脱しなければならないという事情を‘お涙頂戴’的な形で放送していました。
ところで、このジェニファー問題は単に個人的なものではなく、‘コンディショニングトレーナー’だと言っている`田中先生’の押し進めている‘ダイエット’なるものが、それ自体にそもそも矛盾をはらむ間違った‘ダイエット’であることから起こった根本的な問題だと僕は考えています。
すなわち、各人それぞれの個性を無視して「肥満」の原因を一律に`甘えの心’であると断定することで、`ダイエット’を精神論にすり替え短絡させ、各自の事情を考慮することなく、短期間の合宿によって一律に、各自に、`極端な食事制限’を課しながら同時に`過激な運動’を強制するという、現に、飲まず食わずでフラフラな人間に無理やりフルマラソンを強いるような無謀な手段によって、もっぱら体重を減らすこと(それもその減量の目標値の設定がすこぶる恣意的)に特化された目的を措定する‘ガチンコダイエット’なるものは、あたかも‘ブレーキ’と‘アクセル’を同時に踏んでいるような矛盾した、いわば`ダイエットジレンマ’=‘ガチンコ’そのものであり、あまりにも無茶な暴挙であるが故に、まさにそれを忠実に実践した‘優等生’ジェニファーの膝の故障こそ、とりもなおさずその矛盾、ひずみ(ストレス)が集中して露呈した病的結果の症状なのだと思います。
肥満者は‘甘えた心’を持つ‘怠け者’であるという差別意識を背景に、「努力する者は報われる」というストイシズム(禁欲主義)の‘正義感’を振りかざして‘ダイエット’という仕打ちを容赦なく強いるこの番組は、まさに、テレビの視聴者という公衆の面前で、人権侵害的な行為を繰り広げていると言っても過言ではないとは思いますが、しかしこの番組は社会において日常的に繰り広げられている現実を若干極端に目立たせてはいるものの、所詮、その縮図でしかないのだということも認識しなければならないでしょう。
(2000.07.19初出に加筆)
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| ガチンコダイエット──ヤラセの実態 |
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引っぱるだけ引っぱってやっと来週の火曜日(2000.8.15)にファイナルを向かえるTBSの「ガチンコ・ダイエット学院レディース」ですが、あの番組の欺瞞性・偽善性がまた明らかになりました。
この事実については最後に述べますが、先週はまた例によって過激な運動によって強引に体重を落とすという‘間違ったダイエット’を強行していました。すなわち思ったように体重が減らないということから、勝手に設定したファイナルイベントの日時に間に合わせるために、これまた勝手に設定した目標体重まで、その差5kgとか10kgとかの減量をするために、4日という短期間の100kmマラソンを急遽敢行したわけです。
他局でやっていた桜庭あつ子さんの番組の場合(注1)にも東京から実家のある栃木まで‘ダイエット’と称してマラソンをやっていましたが、その結果減ったのはたったの800gでした。
4日で10kg減量するなどというのは‘田中先生’と呼ばれているトレーナーの指導による‘ダイエット’の目標は達成されるかも知れませんが、‘ダイエット’を行う当事者本人の健康をかなり害することは必定です。人それぞれに適した健康な体を育むということがダイエットの基本(注2)であるという立場からすると、こんなことは本末転倒であり、彼女たちの必死の‘ダイエット’は本人のためというより、あくまでも番組の都合のために敢行された蛮行であり、もはやもうむしろ‘ダイエット’などと呼ぶような代物ではなくなっています。
だから番組でも「今やもう単なる‘ダイエット’ということを超えて彼女たちの‘人生’を賭けた行為」となったという類のナレーションを入れ、視聴者(見つめる者たち)の期待を煽り、たとえ無謀な目標であっても、`甘えの心’を捨て、`やる気’を出し必死の努力をすれば、最後には`幸福’なゴールが待っているという根性主義の幻想をかきたてていました。(注3)
しかしファイナルイベントが開催される会場の利用時間によって左右されるような彼女たちの‘人生’とは一体何なのでしょうか?単に番組の都合に翻弄されているだけの‘人生’、番組が終われば忘れ去られてしまうような‘人生’など、陳腐でなくてなんでしょうか。
むしろ、この‘ガチンコダイエット’から、ドロップアウトした(途中で挫折したと番組では言われていたわけですが)、女性の言葉こそ、今一度思い出すべきでしょう。
「なんで(他人の)あんたに期間を決められ(痩せ)なくちゃいけないわけ!?」(注4)
引っ張って来ましたが、ここで今回、最も言及したい事実を書きます。ファイナルイベントと称する催しが行われたのは7月18日の火曜日でした。そして彼女達の100kmマラソンの目標は、会場である原宿ベルファーレが、場所の使用期限として定めた午後4時までに全員が到着しなければならないというものでした。そうでなければベルファーレの営業が始まってしまうというわけです。
番組では、その時間まで到着できるか否か視聴者をハラハラドキドキにさせ、しかし一人が極端に衰弱していたため午後4時までに到着できなかったことで一度ガッカリさせた上で、結局最後にベルファーレの好意によって30分遅れであったにもかかわらず、ファイナルイベント開催にかろうじてこぎつけ、歓喜のうちに放送が終了するというドラマチックな構成になっていました。
しかしながら、その会場に実際に行ったある女性から聞いた話によれば(その女性が主催しているHPの掲示板にもそのことは書かれています)、「確かあの日って、ベルファーレは定休日で、収録後の営業はなかったはず・・・・」ということ!!つまり、番組で放送された、あの劇的な展開はまさに局による‘ヤラセ’だったということがこれで判るでしょう。呆れて、物が言えません。
いや、さらに言及したい、あの番組の欺瞞性があります。次の稿で指摘しますので読んで下さい。
(注1)
「根性主義ダイエット」
(注2)
「太るメカニズムとダイエットの基本──レプチン過多と適量化」
(注3)
‘ダイエットの幸福論’──とにかく痩せれば幸せになれる、という思想については、「OLヴィジュアル系の思想1」で論及しましたが、この合宿に参加したメンバーをどこから募集したかに関しては、東京の鶯谷にある、ある風俗店に勤めていた女性から、次のようなメールをもらっています。
「あの番組、なんだろね〜。実は私、都内のデ○専の風俗店に勤めてるんだけど、内緒の話、お店に『太ってる人テレビに出て頂けませんか?』って電話入ったらしいよ。断ったから誰も出なかったけど出れば、お金貰えたのかな???」
このメールについて、メーリングリストで言及したところ、どういう素性の方かは定かではないのですが、その方から、次のようなメールを頂きました。
「都内某所のデ○専風俗店で働いてる女性から頂いたメールの質問にお答えします。」「お金は貰えません。きつい絶食とトレーニングで身体の具合が悪くなり脱退した女性が居ました。お店に番組出演の電話が有ったとき、出演依頼お断りしたのは正解です。」
(注4)
「根性主義ダイエット」
(2000.8.12初出に加筆)
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